障害補償給付
   
業務上および通勤途上の傷病が治ったとき
身体に、一定の障害が残った場合に障害(補償)給付が行われます。
また、障害厚生年金・障害基礎年金に該当する場合は、併給されます。
 
※障害厚生年金・障害基礎年金について
 
前述同様、業務災害による場合を「障害補償給付」、通勤災害による場合を「障害給付」と呼び、以下合わせて「障害(補償)給付」として説明します。
 
※「治ったとき」
「治ったとき」とは、傷病の症状が安定し、医学上一般に認められた医療行為を行ってもその医療効果が期待できなくなったときを言います。(症状固定)
ですから、負傷によって失われた機能が回復したか否かではなく、負傷部位への医療行為が必要なくなったときを「治ったとき」とします。
  障害補償給付の手続き
【1】給付の内容
残存障害が、障害等級表に掲げる障害等級に該当するとき、その障害の程度に応じて、それぞれ下記のとおり支給されます。
障害等級第1級から第7級に該当するとき
障害(補償)年金、障害特別支給金、障害特別年金
障害等級第8級から第14級に該当するとき
障害(補償)一時金、障害特別支給金、障害特別一時金
 
労働者災害補償保険法施行規則 別表第一 障害等級表
神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準について
(平成15年10月1日以降適用)
 
「年金の支払月」
障害(補償)年金は、支給要件に該当することとなった月の翌月分から支給され、毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月の6期に、それぞれの前2か月分が支払われます。
障害等級 障害(補償)年金 障害特別支給金 障害特別年金
第1級 給付基礎日額313日分 342万円 算定基礎日額 313日分
第2級 〃   277日分 320万円 〃   277日分
第3級 〃   245日分 300万円 〃   245日分
第4級 〃   213日分 264万円 〃   213日分
第5級 〃   184日分 225万円 〃   184日分
第6級 〃   156日分 192万円 〃   156日分
第7級 〃   131日分 159万円 〃   131日分
障害等級 障害(補償)一時金 障害特別支給金 障害特別一時金
第8級 給付基礎日額503日分 65万円 算定基礎日額503日分
第9級 〃   391日分 50万円 〃   391日分
第10級 〃   302日分 39万円 〃   302日分
第11級 〃   223日分 29万円 〃   223日分
第12級 〃   156日分 20万円 〃   156日分
第13級 〃   101日分 14万円 〃   101日分
第14級 〃    56日分 8万円 〃    56日分
「給付基礎日額」とは
「算定基礎日額」とは
 
様式
業務災害の場合 様式第10号 『障害補償給付支給請求書』
通勤災害の場合 様式第16号の7 『障害給付支給請求書』
提出に当たって必要な添付書類について
医師又は歯科医師の診断書及び必要に応じてレントゲン写真等の資料。
同一の事由によって、障害厚生年金、障害基礎年金等の支給を受けている場合には、その支給額を証明することができる書類
 
時効
障害(補償)給付は、傷病が治った日の翌日から5年を経過しますと、時効により請求権が消滅します。
 
【2】障害(補償)年金前払一時金
障害(補償)年金を受給することとなった方は、1回に限り、年金の前払いを受けることができます。
前払一時金の額は、障害等級に応じて定められている一定額(次の表を参照して下さい。)の中から、希望するものを選択できます。
なお、前払一時金が支給されると障害(補償)年金は、各月分の額(1年を経過した以降の分は利息分を引いた額)の合計額が、前払一時金の額に達するまでの間支給停止されます。
障害等級 前払い一時金の額
第1級 給付基礎日額の200、400、600、800、1,000、1,200 又は1,340日分
第2級   〃    200、400、600、 800、1,000 又は1,190日分
第3級   〃    200、400、600、 800、1,000 又は1,050日分
第4級   〃        200、400、 600、 800 又は 920日分
第5級    〃           200、 400、 600 又は 790日分
第6級   〃           200、 400、 600 又は 670日分
第7級   〃                200、 400 又は 560日分
 
様式
『障害(補償)年金前払一時金請求書』 年金申請様式第10号
年金の支給決定の通知のあった日の翌日から、1年以内であれば、障害(補償)年金を受けた後でも請求できます。
 
【3】障害(補償)年金差額一時金
障害(補償)年金の受給権者が死亡したとき、既に支給された障害(補償)年金と障害(補償)年金前払一時金の合計額が障害等級に応じて定められている一定額(上記の表の最高限度額)に満たない場合には、遺族に対して、障害(補償)年金差額一時金が支給されます。
 
障害(補償)年金差額一時金の額は、障害等級に応じて定められている下記の一定額から既に支給された障害(補償)年金と障害(補償)年金前払一時金の合計額を差し引いた額です。
また、障害特別年金についても、障害(補償)年金と同様に、差額一時金の制度があり、障害特別年金の受給権者が死亡したとき、既に支給された障害特別年金の額が、障害等級に応じて定められている下記の一定額に滴たない場合には、その差額が障害特別年金差額一時金として、遺族(障害(補償)年金差額一時金を受けることができる遺族と同じです。)に支給されます。
障害等級 障害(補償)年金差額一時金 障害特別年金差額一時金
第1級 給付基礎日額1,340日分 算定基礎日額1,340日分
第2級 〃     1,190日分 〃     1,190日分
第3級 〃     1,050日分 〃     1,050日分
第4級 〃      920日分 〃      920日分
第5級 〃      790日分 〃      790日分
第6級 〃      670日分 〃      670日分
第7級 〃      560日分 〃      560日分
 
障害(補償)年金差額一時金の支給を受けることができる遺族
障害(補償)年金差額一時金の支給を受けることができる遺族は、次の(1)又は(2)に掲げる遺族 であり、支給を受けるべき順位は、次の(1)、(2)の順序((1)、(2)に掲げる遺族の中では、それぞれ(1)、(2)に掲げる順序)となっています。
(1) 労働者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含みます。(2)において同じ。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
(2) (1)に該当しない配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
 
様式
『障害(補償)年金差額一時金請求書』 年金申請様式第37号の2
提出に当たって必要な添付書類について
戸籍の謄本又は抄本等の請求人と死亡した労働者との身分関係を証明することができる書類。
請求人が死亡した労働者の収入によって生計を維持していた着である場合には、その事実を証明することのできる書類。
 
【4】障害の程度の変更
障害(補償)年金(障害等級第1級〜第7級)を支給されている間に障害の程度が重くなったり、軽くなったりすることがありますが、障害の程度に変更があったときは新たな障害の該当する障害等級により、障害(補償)給付が行われます。この場合新たな障害の該当する障害の等級が第8級から第14級までのときはそれに該当する一時金が支給され、その後の年金は打ち切りとなります。(障害等級第8級〜第14級は、障害の程度の変更は該当しません。)
 
障害補償年金支給事由となっている障害の程度が新たな傷病によらず、又は、傷病の再発によらず、 自然的に変更した場合には、職権又は請求により、 その変更が障害等級第1級から障害等級第7級の範囲であるときは、その変更のあった月の翌月の分から障害補償年金の額を改定し、 その変更が障害等級第8級以下に及ぶ時ときは、障害補償年金の受給権が消滅するので、 その月の分をもって障害補償年金の支給を打ち切り、障害補償一時金を支給する。
(昭和41.1.31 基発第73号)
 
新たな障害が加わった場合
すでに第8級から第14級に該当する者が新たな障害により同一部位に障害の程度を加重し第1級から第7級の障害の程度に該当するときはその等級について定められている年金の額からすでにあった障害の該当する一時金の額の25分の1を差し引いた額が年金として支給されます。また第1級から第7級に該当する障害があった者の加重障害の場合は現在の障害年金相当額から、既存障害の年金相当額を差し引いた額が年金として支給されます。
前述以外の一時金に該当する障害
一時金に該当する障害については、支給を受けた後に障害の程度が重くなっても障害等級の変更は行われず、したがって差額支給等は行われません。
ただし、傷病が再発して再び治ったときに以前より重い障害が残った場合は現在の障害等級に一時金と再発前の障害等級に該当する一時金との差額が支給されます。
すでに障害があった者が新たな災害により同一部位に障害の程度を加重した場合には現在の障害等級に応ずる一時金の額からすでにあった障害等級に応ずる一時金の額を差し引いた額が支給されることになります。