「業務上の疾病範囲」(労働基準法施行規則第35条)について「その他業務に起因することの明らかな疾病」としての判断基準が適用されると思われます。
この分類は、過重労働による脳・心疾患等が対象で、うつ病は「業務上疾病の心理的負荷による精神障害」として取り扱われます。
基本的に疾病は、負傷のように業務との因果関係を特定するのが容易ではなく、「業務が有力な原因となって発病した場合」が対象となります。
・既往歴に精神障害がないこと。
・社会的適応状況
・アルコール依存症
・性格傾向に特に問題がないこと。
等の個体側要因(業務外要因)を客観的に評価します。
その上で、「業務による明らかな過重負荷」により自然経過以上に悪化し発症した場合に業務との因果関係が認められ労災認定とされます。
「業務による明らかな過重負荷」として認められるものとして
・異常な出来事
・短期間の過重業務
・長期間の過重業務
に区分されています。
「異常な出来事」とは、
突発的又は予測困難な異常事態により精神・身体的に強度の負荷を強いられるような状況や急激で著しい作業環境変化を言います。
「短期間の過重業務」とは、
発病前1週間の業務が通常業務と比較して業務量(時間・質)、作業内容(作業形態・難易度・責任度)、作業環境などを総合的に判断します。
特に発症に最も密接な関連性を有する業務は、発症直前から前日までの間の業務で判断します。
「長期間の過重業務」とは、
発症前1か月ないし6か月にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められ、
特に、疲労の蓄積に係る業務の過重性について業務量(時間・質)、作業内容(作業形態・難易度・責任度)、作業環境などを総合的に判断します。