業務上および通勤途上の傷病が治ったとき、身体に一定の障害が残った場合に障害(補償)給付が行われます。
障害厚生年金・障害基礎年金に該当する場合は、併給されます。
傷病の症状が安定し、医学上一般に認められた医療行為を行ってもその医療効果が期待できなくなったときをいいます。(症状固定)
負傷によって失われた機能が回復したか否かではなく、負傷部位への医療行為が必要なくなったときを「治ったとき」とします。
残存障害が、別表第一 障害等級表に掲げる障害等級に該当するとき、その障害の程度に応じて、それぞれ下記のとおり支給されます。
障害等級 | 障害(補償)年金 | 障害特別支給金 | 障害特別年金 |
第1級 | 給付基礎日額313日分 | 342万円 | 算定基礎日額 313日分 |
第2級 | 〃 277日分 | 320万円 | 〃 277日分 |
第3級 | 〃 245日分 | 300万円 | 〃 245日分 |
第4級 | 〃 213日分 | 264万円 | 〃 213日分 |
第5級 | 〃 184日分 | 225万円 | 〃 184日分 |
第6級 | 〃 156日分 | 192万円 | 〃 156日分 |
第7級 | 〃 131日分 | 159万円 | 〃 131日分 |
障害等級 | 障害(補償)一時金 | 障害特別支給金 | 障害特別一時金 |
第8級 | 給付基礎日額503日分 | 65万円 | 算定基礎日額503日分 |
第9級 | 〃 391日分 | 50万円 | 〃 391日分 |
第10級 | 〃 302日分 | 39万円 | 〃 302日分 |
第11級 | 〃 223日分 | 29万円 | 〃 223日分 |
第12級 | 〃 156日分 | 20万円 | 〃 156日分 |
第13級 | 〃 101日分 | 14万円 | 〃 101日分 |
第14級 | 〃 56日分 | 8万円 | 〃 56日分 |
同一の事由により労災保険から年金が支給されるときは、労災保険の年金に次表の率を乗じた金額に減額されます。
労災\社会保険 | 障害厚生年金のみ | 障害基礎年金のみ | 障害厚生年金と障害基礎年金 |
障害(補償)年金 | 0.83 | 0.88 | 0.73 |
障害(補償)年金は、支給決定の翌月分から、2、4、6、8、10、12月の6期に前2月分が支払われます。
業務災害の場合 | 様式第10号 | 障害補償給付支給請求書 |
通勤災害の場合 | 様式第16号の7 | 障害給付支給請求書 |
提出に当たって必要な添付書類について
・医師又は歯科医師の診断書及び必要に応じてレントゲン写真等の資料。
・同一の事由によって、障害厚生年金、障害基礎年金等の支給を受けている場合には、その支給額を証明することができる書類
障害(補償)給付は、傷病が治った日の翌日から5年を経過しますと、時効により請求権が消滅します。
障害(補償)年金を受給することとなった方は、1回に限り、年金の前払いを受けることができます。
前払一時金の額は、障害等級に応じて定められている一定額(次の表を参照して下さい。)の中から、希望するものを選択できます。
なお、前払一時金が支給されると障害(補償)年金は、年金月分(1年経ってからの分は、年5%の単利で割り引いた額)の合計額が前払一時金の額に達するまで支給停止されます。
障害等級 | 前払い一時金の額 |
第1級 | 給付基礎日額の200、400、600、800、1,000、1,200 又は1,340日分 |
第2級 | 〃 200、400、600、 800、1,000 又は1,190日分 |
第3級 | 〃 200、400、600、 800、1,000 又は1,050日分 |
第4級 | 〃 200、400、 600、 800 又は 920日分 |
第5級 | 〃 200、 400、 600 又は 790日分 |
第6級 | 〃 200、 400、 600 又は 670日分 |
第7級 | 〃 200、 400 又は 560日分 |
※年金の支給決定の通知のあった日の翌日から、1年以内であれば、障害(補償)年金を受けた後でも請求できます。
障害(補償)年金前払一時金請求書 | 年金申請様式第10号 |
障害(補償)年金の受給権者が死亡したとき、既に支給された障害(補償)年金と障害(補償)年金前払一時金の合計額が障害等級に応じて定められている一定額(上記の表の最高限度額)に満たない場合には、遺族に対して、障害(補償)年金差額一時金が支給されます。
障害(補償)年金差額一時金の額は、障害等級に応じて定められている下記の一定額から既に支給された障害(補償)年金と障害(補償)年金前払一時金の合計額を差し引いた額です。
また、障害特別年金についても、障害(補償)年金と同様に、差額一時金の制度があり、障害特別年金の受給権者が死亡したとき、既に支給された障害特別年金の額が、障害等級に応じて定められている下記の一定額に滴たない場合には、その差額が障害特別年金差額一時金として、遺族(障害(補償)年金差額一時金を受けることができる遺族と同じです。)に支給されます。
障害等級 | 障害(補償)年金差額一時金 | 障害特別年金差額一時金 |
第1級 | 給付基礎日額1,340日分 | 算定基礎日額1,340日分 |
第2級 | 〃 1,190日分 | 〃 1,190日分 |
第3級 | 〃 1,050日分 | 〃 1,050日分 |
第4級 | 〃 920日分 | 〃 920日分 |
第5級 | 〃 790日分 | 〃 790日分 |
第6級 | 〃 670日分 | 〃 670日分 |
第7級 | 〃 560日分 | 〃 560日分 |
障害(補償)年金差額一時金の支給を受けることができる遺族は、次の(1)又は(2)に掲げる遺族 であり、支給を受けるべき順位は、次の(1)、(2)の順序((1)、(2)に掲げる遺族の中では、それぞれ(1)、(2)に掲げる順序)となっています。
(1)労働者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含みます。(2)において同じ。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
(2)(1)に該当しない配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
障害(補償)年金差額一時金請求書 | 年金申請様式第37号の2 |
提出に当たって必要な添付書類について
・戸籍の謄本又は抄本等の請求人と死亡した労働者との身分関係を証明することができる書類。
・請求人が死亡した労働者の収入によって生計を維持していた着である場合には、その事実を証明することのできる書類。
障害(補償)年金(障害等級第1級~第7級)を支給されている間に障害の程度が重くなったり、軽くなったりすることがありますが、障害の程度に変更があったときは新たな障害の該当する障害等級により、障害(補償)給付が行われます。この場合新たな障害の該当する障害の等級が第8級から第14級までのときはそれに該当する一時金が支給され、その後の年金は打ち切りとなります。(障害等級第8級~第14級は、障害の程度の変更は該当しません。)
障害補償年金支給事由となっている障害の程度が新たな傷病によらず、又は、傷病の再発によらず、 自然的に変更した場合には、職権又は請求により、 その変更が障害等級第1級から障害等級第7級の範囲であるときは、その変更のあった月の翌月の分から障害補償年金の額を改定し、 その変更が障害等級第8級以下に及ぶ時ときは、障害補償年金の受給権が消滅するので、 その月の分をもって障害補償年金の支給を打ち切り、障害補償一時金を支給する。
すでに第8級から第14級に該当する者が新たな障害により同一部位に障害の程度を加重し第1級から第7級の障害の程度に該当するときはその等級について定められている年金の額からすでにあった障害の該当する一時金の額の25分の1を差し引いた額が年金として支給されます。また第1級から第7級に該当する障害があった者の加重障害の場合は現在の障害年金相当額から、既存障害の年金相当額を差し引いた額が年金として支給されます。
一時金に該当する障害については、支給を受けた後に障害の程度が重くなっても障害等級の変更は行われず、したがって差額支給等は行われません。
ただし、傷病が再発して再び治ったときに以前より重い障害が残った場合は現在の障害等級に一時金と再発前の障害等級に該当する一時金との差額が支給されます。
すでに障害があった者が新たな災害により同一部位に障害の程度を加重した場合には現在の障害等級に応ずる一時金の額からすでにあった障害等級に応ずる一時金の額を差し引いた額が支給されることになります。
年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする。
第2項 年金たる保険給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しない。
第3項 年金たる保険給付は、毎年二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の六期に、それぞれその前月分までを支払う。ただし、支給を受ける権利が消滅した場合におけるその期の年金たる保険給付は、支払期月でない月であつても、支払うものとする。
障害補償給付は、厚生労働省令で定める障害等級に応じ、障害補償年金又は障害補償一時金とする。
第2項 障害補償年金又は障害補償一時金の額は、それぞれ、別表第一又は別表第二に規定する額とする。
障害補償年金を受ける労働者の当該障害の程度に変更があつたため、新たに別表第一又は別表第二中の他の障害等級に該当するに至つた場合には、政府は、厚生労働省令で定めるところにより、新たに該当するに至つた障害等級に応ずる障害補償年金又は障害補償一時金を支給するものとし、その後は、従前の障害補償年金は、支給しない。
障害給付は、労働者が通勤により負傷し、又は疾病にかかり、なおつたとき身体に障害が存する場合に、当該労働者に対し、その請求に基づいて行なう。
第2項 障害給付は、第15条第1項の厚生労働省令で定める障害等級に応じ、障害年金又は障害一時金とする。
第3項 第15条第2項及び第15条の2並びに別表第一(障害補償年金に係る部分に限る。)及び別表第二(障害補償一時金に係る部分に限る。)の規定は、障害給付について準用する。この場合において、これらの規定中「障害補償年金」とあるのは「障害年金」と、「障害補償一時金」とあるのは「障害一時金」と読み替えるものとする。
障害特別支給金は、業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病が治つたとき身体に障害がある労働者に対し、その申請に基づいて支給するものとし、その額は、当該障害の該当する障害等級(労災則第十四条第一項 から第四項 まで及び労災則 別表第一の規定による障害等級をいう。以下同じ。)に応じ、別表第一に規定する額(障害等級が労災則第十四条第三項 本文の規定により繰り上げられたものである場合において、各の身体障害の該当する障害等級に応ずる同表に規定する額の合算額が当該繰り上げられた障害等級に応ずる同表に規定する額に満たないときは、当該合算額)とする。
第2項 既に身体障害のあつた者が、負傷又は疾病により同一の部位について障害の程度を加重した場合における当該事由に係る障害特別支給金の額は、前項の規定にかかわらず、現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害特別支給金の額から、既にあつた身体障害の該当する障害等級に応ずる障害特別支給金の額を差し引いた額による。
第3項以降省略
平均賃金に相当する額。業務上または通勤途上災害の発生した日又は、医師の診断によって疾病の発生が確定した日(直前の賃金締切日)の直前の3ヶ月間に支払われた賃金の総額をその期間の暦日数で割った1日当たりの賃金額です。
休業(補償)給付の額の算定の基礎として用いる給付基礎日額は、傷病の発生時(スライドされた場合はスライド改定時)に比べて上下10%を超える賃金の変動があった場合、その変動率に応じて改定(スライド)され、また、療養開始後1年6か月を経過した場合は、年齢階層別の最低・最高限度額が適用されます(休業給付基礎日額)。
また、年金たる保険給付(傷病(補償)年金、障害(補償)年金及び遺族(補償)年金)の額の算定の基礎として用いる給付基礎日額については、傷病の発生時(スライドされた場合はスライド改定時)の属する年度とその前年度の賃金との変動率に応じて改定(スライド)され、年令階層別の最低・最高限度額の通用があります(年金給付基礎日額)。
なお、年齢階層別の最低・最高限度額は、年金が支給される最初の月から適用されます。
業務上又は通勤途上災害の発生した日以前1年間に その労働者に支払われた特別給与(ボーナスなど)の総額を算定基礎年額とし、それを365で割った額のことです。
特別給与の総額が給付基礎年額の20%以上のときは、20%が算定基礎年額となります。ただし、150万円が限度額です。
算定基礎年額<= 給付基礎日額×365×20% <= 150万円
なお、特別給与とは、給付基礎日額の算定の基礎から除外されているボーナスなど3か月をこえる期間ごとに支払われる賃金をいい、臨時に支払われた賃金は含まれません。
障害等級 | 給付の内容 | 障 害 の 状 態 | |
第1級 | 当該障害の状態が継続している期間1年につき 給付基礎日額の313日分 |
(1) | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し常に介護を要するもの |
(2) | 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し常に介護を要するもの | ||
(3) | 両眼が失明しているもの | ||
(4) | そしゃく及び言語の機能を廃しているもの | ||
(5) | 両上肢をひじ関節以上で失ったもの | ||
(6) | 両上肢の用を全廃しているもの | ||
(7) | 両下肢をひざ関節以上で失ったもの | ||
(8) | 両下肢の用を全廃しているもの | ||
(9) | 前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの | ||
第2級 | 同277日分 | (1) | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し随時介護を要するもの |
(2) | 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し随時介護を要するもの | ||
(3) | 両眼の視力が0.02以下になっているもの | ||
(4) | 両上肢を腕関節以上で失ったもの | ||
(5) | 両下肢を足関節以上で失ったもの | ||
(6) | 前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの | ||
第3級 | 同245日分 | (1) | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し常に労務に服することができないもの |
(2) | 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し常に労務に服することができないもの | ||
(3) | 一眼が失明し他眼の視力が0.06以下になっているもの | ||
(4) | そしゃく又は言語の機能を廃しているもの | ||
(5) | 両手の手指の全部を失ったもの | ||
(6) | 第1号及び第2号に定めるもののほか常に労務に服することができないものその他前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの | ||
第4級 | 同213日分 | (1) | 両眼の視力が0.06以下になったもの |
(2) | そしゃく及び言語の機能に著しい障害を残すもの | ||
(3) | 両耳の聴力を全く失ったもの | ||
(4) | 1上肢をひじ関節以上で失ったもの | ||
(5) | 1下肢をひぎ関節以上で失ったもの | ||
(6) | 両手の手指の全部の用を廃したもの | ||
(7) | 両足をリスフラン関節以上で失ったもの | ||
第5級 | 同184日分 | (1) | 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの |
(1-2) | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの | ||
(1-3) | 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの | ||
(2) | 1上肢を腕関節以上で失ったもの | ||
(3) | 1下肢を足関節以上で失ったもの | ||
(4) | 1上肢の用を全廃したもの | ||
(5) | 1下肢の用を全廃したもの | ||
(6) | 両足の足指の全部を失ったもの | ||
第6級 | 同156日分 | (1) | 両眼の視力が0.1以下になったもの |
(2) | そしゃく又は言語の機能に著しい障害を残すもの | ||
(3) | 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの | ||
(3-2) | 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの | ||
(4) | せき柱に著しい奇形又は運動障害を残すもの | ||
(5) | 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの | ||
(6) | 1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの | ||
(7) | 1手の5の手指又は母指及び示指を含み4の手指を失ったもの | ||
第7級 | 同131日分 | (1) | 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの |
(2) | 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの | ||
(2-2) | 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の諸声を解することができない程度になったもの | ||
(3) | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの | ||
(4) | 削除 | ||
(5) | 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの | ||
(6) | 1手の母指及び示指を失ったもの又は母指若しくは示指を含み3以上の手指を失ったもの | ||
(7) | 1手の5の手指又は母指及び示指を含み4の手指の用を廃したもの | ||
(8) | 1足をリスフラン関節以上で失ったもの | ||
(9) | 1上肢に仮関節を残し、著しい運動障害を残すもの | ||
(10) | 1下肢に仮関節を残し、著しい運動障害を残すもの | ||
(11) | 両足の足指の全部の用を廃したもの | ||
(12) | 外ばうに著しい醜状を残すもの※平成23年2月改定 | ||
(13) | 両側のこう丸を失ったもの | ||
第8級 | 給付基礎日額の503日分 | (1) | 1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの |
(2) | せき柱に運動障害を残すもの | ||
(3) | 1手の母指を含み2の手指を失ったもの | ||
(4) | 1手の母指及び示指又は母指若しくは示指を含み3以上の手指の用を廃したもの | ||
(5) | 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの | ||
(6) | 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの | ||
(7) | 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの | ||
(8) | 1上肢に仮関節を残すもの | ||
(9) | 1下肢に仮関節を残すもの | ||
(10) | 1足の足指の全部を失ったもの | ||
(11) | ひ臓又は1側のじん臓を失ったもの | ||
第9級 | 同391日分 | (1) | 両眼の視力が0.6以下になったもの |
(2) | 1眼の視力が0.06以下になったもの | ||
(3) | 両眼に半音症、視野狭さく又は視野変状を残すもの | ||
(4) | 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの | ||
(5) | 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの | ||
(6) | そしゃく及び言語の機能に障害を残すもの | ||
(6-2) | 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの | ||
(6-3) | 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの | ||
(7) | 1耳の聴力を全く失ったもの | ||
(7-2) | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服するこができる労務が相当な程度に制限されるもの | ||
(7-3) | 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの | ||
(8) | 1手の母指を失ったもの、示指を含み2の手指を失ったもの又は母指及び示指以外の3の手指を失ったもの | ||
(9) | 1手の母指を含み2の手指の用を廃したもの | ||
(10) | 1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの | ||
(11) | 1足の足指の全部の用を廃したもの | ||
(11-2) | 外貌に相当程度の醜状を残すもの※平成23年2月改定 | ||
(12) | 生殖器に著しい障害を残すもの | ||
第10級 | 同302日分 | (1) | 1眼の視力が0.1以下になったもの |
(2) | そしゃく又は言語の機能に障害を残すもの | ||
(3) | 14歯以上に対し歯科補てつを加えたもの | ||
(3-2) | 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの | ||
(4) | 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの | ||
(5) | 1手の示指を失ったもの又は母指及び示指以外の2の手指を失ったもの | ||
(6) | 1手の母指の用を廃したもの、示指を含み2の手指の用を廃したもの又は母指及び示指以外の3の手指の用を廃したもの | ||
(7) | 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの | ||
(8) | 1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの | ||
(9) | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの | ||
(10) | 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの | ||
第11級 | 同223日分 | (1) | 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
(2) | 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの | ||
(3) | 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの | ||
(3-2) | 10歯以上に対し歯科補てつを加えたもの | ||
(3-3) | 両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの | ||
(4) | 1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの | ||
(5) | せき柱に奇形を残すもの | ||
(6) | 1手の中指又は薬指を失ったもの | ||
(7) | 1手の示指の用を廃したもの又は母指及び示指以外の2の手指の用を廃したもの | ||
(8) | 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの | ||
(9) | 胸腹部臓器に障害を残すもの | ||
第12級 | 同156日分 | (1) | 1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
(2) | 1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの | ||
(3) | 7歯以上に対し歯科補てつを加えたもの | ||
(4) | 1耳の耳かくの大部分を欠損したもの | ||
(5) | 鎖骨、胸骨、ろく骨、肩こう骨又は骨盤骨に著しい奇形を残すもの | ||
(6) | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの | ||
(7) | 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの | ||
(8) | 長管骨に奇形を残すもの | ||
(9) | 1手の中指又は薬指の用を廃したもの | ||
(10) | 1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を合み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの | ||
(11) | 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの | ||
(12) | 局部にがん固な神経症状を残すもの | ||
(14) | 外貌に醜状を残すもの※平成23年2月改定 | ||
第13級 | 同101日分 | (1) | 1眼の視力が0.6以下になったもの |
(2) | 1眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの | ||
(3) | 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの | ||
(3-2) | 5歯以上に対し歯科補てつを加えたもの | ||
(4) | 1手の小指を失ったもの | ||
(5) | 1手の母指の指骨の一部を失ったもの | ||
(6) | 1手の示指の指骨の一部を失ったもの | ||
(7) | 1手の示指の末関節を屈伸することができなくなったもの | ||
(8) | 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの | ||
(9) | 1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの | ||
(10) | 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの | ||
第14級 | 同 56日分 | (1) | 1眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの |
(2) | 3歯以上に対し歯科補てつを加えたもの | ||
(2-2) | 1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの | ||
(3) | 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの | ||
(4) | 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの | ||
(5) | 1手の小指の用を廃したもの | ||
(6) | 1手の母指及び示指以外の手指の指骨の一部を失ったもの | ||
(7) | 1手の母指及び示指以外の手指の末関節を屈伸することができなくなったもの | ||
(8) | 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの | ||
(9) | 局部に神経症状を残すもの |
備考
1.視力の測定は、万国式試視力表による。屈折異常のあるものについてはきょう正視力について測定する。
2.手指を失ったものとは、母指は指関節、その他の手指は第一指関節以上を失ったものをいう。
3.手指の用を廃したものとは、手指の末節の半分以上を失い、又は中手指節関節若しくは第一指関節(母指にあっては指関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
4.足指を失ったものとは、その全部を失ったものをいう。
5.足指の用を廃したものとは、第一の足指は末節の半分以上、その他の足指は末関節以上を失ったもの又は中足指節関節若しくは第一指関節(第一の足指にあっては指関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
非器質性精神障害の認定基準については、外傷性神経症に係る認定基準のみ設けられていたところであるが、うつ病やPTSD等の精神障害の労災認定の増加傾向に鑑み、業務上の非器質性精神障害の後遺障害一般に関して適用する基準を設定するとともに、障害認定の時期を示したこと。
非器質性精神障害は、その特質上、業務による心理的負荷を取り除き適切な治療を行えば、多くの場合完治するのが一般的であり、完治しない場合でも症状がかなり軽快するのが一般的であること。
また、通勤・勤務時間の遵守、対人関係・協調性等の能力のうち、複数の能力が失われている等重い症状を有している者については、非器質性精神障害の特質上、症状の改善が見込まれることから、症状に大きな改善が認められない状態に一時的に達した場合においても、原則として療養を継続することとしたこと。
「抑うつ状態」等の精神症状が認められるものについて、日常生活や通勤・勤務時間の遵守、対人関係・協調性等の8つの能力の障害の程度に応じ、原則として9級・12級・14級の3段階で障害等級を認定することとしたこと。
また、通勤・勤務時間の遵守、対人関係・協調性等の能力のうち、複数の能力が失われている等重い症状を有している者については、非器質性精神障害の特質上、症状の改善が見込まれることから、症状に大きな改善が認められない状態に一時的に達した場合においても、原則として療養を継続することとしたこと。
各等級に該当する障害の例
9級の例 | 対人業務につけないもの |
12級の例 | 職種制限は認められないが、就労に当たりかなりの配慮が必要であるもの |
14級の例 | 職種制限は認められないが、就労に当たり多少の配慮が必要であるもの |
認定基準の明確性の向上を図る観点から、脳の器質的損傷に基づく障害については高次脳機能障害(※1)と身体性機能障害に区分した上で、高次脳機能障害と身体性機能障害のそれぞれについて以下のような基準を策定するとともに、両者が併存した場合の取扱いを示した。
(1)高次脳機能障害は、意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持続力・持久力及び社会行動能力の4つの能力の喪失の程度(必要とされる支援の要否や程度)に着目して、障害等級(3、5、7、9、12、14級)を認定することとしたこと。
ただし、重篤な高次脳機能障害により食事・入浴・用便・更衣や外出等に介護を要するものについては、介護の程度を踏まえて障害等級(1、2級)を認定すること。
(2)身体性機能障害については、麻痺に着目し、麻痺している身体の範囲や程度により障害等級(1、2、3、5、7、9、12級)を認定することとしたこと。
各等級に該当する障害の例
1級の例 | 重篤な高次脳機能障害により食事・入浴・用便・更衣等の日常生活動作ができず常時介護を要するもの |
2級の例 | 重篤な高次脳機能障害のため自宅内の日常生活動作は一応できるが、自宅外の行動が困難で、随時他人の介護を必要とするもの |
3級の例 | 職場で他の人と意思疎通を図ることができないもの |
5級の例 | 実物を見せる、やってみせる、ジェスチャーで示す、などの色々な手段とともに話しかければ、短い文や単語くらいは理解できるもの |
7級の例 | 職場で他の人と意思疎通を図ることに困難を生じることがあり、意味を理解するためには時々繰り返してもらう必要があるもの |
9級の例 | 職場で他の人と意思疎通を図ることに困難を生じることがあり、意味を理解するためにはたまには繰り返してもらう必要があるもの |
12級の例 | 職場で他の人と意思疎通を図ることに困難を生じることがあり、ゆっくり話してもらう必要が時々あるもの |
せき髄損傷による後遺障害についても、認定基準の明確性の向上を図る観点から、せき髄損傷に通常伴って生じる神経因性膀胱障害等の障害も含めて評価する基準を設定したこと。
障害認定に当たっては、麻痺に着目し、麻痺の範囲及びその程度により障害等級を認定(1、2、3、5、7、9、12級)することとしたこと。
1級の例 | 両上肢及び両下肢を可動させることができないもの又はこれに近い状態にあるもの(高度の四肢麻痺) |
2級の例 | 一側の上肢及び下肢を可動させることができないもの又はこれに近い状態にあるもの(高度の片麻痺) |
3級の例 | 両上肢及び両下肢の麻痺により歩行できないもの(中等度の四肢麻痺) |
5級の例 | 一下肢を可動させることができないもの又はこれに近い状態にあるもの(高度の単麻痺) |
7級の例 | 一下肢の麻痺により「杖や硬性装具無しには階段を上ることができないもの」(中等度の単麻痺) |
9級の例 | 一下肢の麻痺により「日常生活は概ね独歩であるが、不安定で転倒しやすく、速度も遅いもの」(軽度の単麻痺) |
12級の例 | 運動障害は伴わないものの、感覚障害が概ね一上肢又は一下肢の全域にわたって認められるもの |
(1)外傷性てんかん
外傷性てんかんについては、従来、てんかん発作の型にかかわらず障害等級を示していたが、発作の型により労働能力に及ぼす影響が異なることから、発作の型と頻度により障害等級(5、7、9、12級)を認定することとしたこと。
(2)RSD(反射性交感神経性ジストロフィー)(※2)
RSDの取扱いは、従来認定基準上明確ではなかったが、外傷後に残る特殊な型の痛みとして慢性期における一定の要件((1)関節拘縮、(2)骨の萎縮、(3)皮膚の変化(皮膚温の変化、皮膚の萎縮))を満たすものについて、症状の程度に応じて障害等級(7、9、12級)を認定することとしたこと。
※1高次脳機能障害が存する場合には、耳が聞こえても言葉を理解することができず、「会話をすることができないこと」等の症状を呈することがある。
※2RSDとは、外傷後に生じる慢性疼痛であり、激しい痛みを生じることがある。